2013年06月28日

祝・富士山 世界遺産登録!

カンボジアのプノンペンで開催された第37回世界遺産委員会での決定を経て、
一昨日6月26日、富士山が世界遺産リストに登録されました!


祝・富士山 世界遺産登録!


世界遺産での登録項目は、「文化遺産」。
正式な登録名称は、「富士山 信仰の対象と芸術の源泉」です。


今回の構成遺産は、全部で25。
山頂の信仰遺跡群や登山道、富士五湖や忍野八海、
複数の浅間神社、御師(おし)住宅や胎内樹型、白糸の滝や三保の松原等が
含まれています。

※注:御師(おし)住宅 :富士講の宿坊を兼ねた住宅
    胎内(溶岩)樹型: 溶岩が流れる途中に木の幹を取り込んだ形のままで
                固まったできた井戸穴のような空洞


祝・富士山 世界遺産登録!


ユネスコの世界遺産サイトに記載の「概要」を翻訳してご紹介します。



「富士山 信仰の対象と芸術の源泉」(訳:小山内 浩)


街並みや木々に縁どられた海や湖から聳え立つ、世界中で知られる富士山。
しばしば冠雪し、独立峰の成層火山である富士山の美しさは、
時を越えて芸術家や文筆家の創造の源泉となり、信仰の対象となってきました。

日本美術における表現は11世紀に遡ります。特に、19世紀の木版画は、
富士山を日本の象徴として国際的に認識させると共に、
西洋絵画の発展に多大な衝撃を与えました。

登録された25箇所の構成資産は、富士山の神聖な風景の本質を反映しています。

富士山は、12世紀には仏教や神道の厳しい修行の中心の場となりました。
3776mの山頂から1500mの層に存在する巡礼の山道や岩石の神社と共に、
山麓にある、浅間神社や御師(おし)住宅、神聖さを讃えられている、
胎内(溶岩)樹型や湖沼や滝などの火山地形等の自然が、登録されています。



この「概要」、富士山の文化的な特徴がよくとらえられています。
日本人の私たちでさえ、御師住宅や胎内樹型などについて知らない人も
少なくありません。

この機会に、富士山の自然や歴史、文化に触れてみませんか。


祝・富士山 世界遺産登録!


一方で、今回の世界遺産の登録が、観光ブームによる、富士山の自然や景観破壊、
ゴミ問題といった方向に導かれてしまってはならないでしょう。

かつて「自然遺産」として登録申請を見送った原因の一因は、
富士山や周辺の樹海におけるゴミ問題だったと言われています。


世界遺産の目的の一つは、世界遺産の景観や環境の永続性、保全にあります。

地球上の大自然のスペクタクル、人類の悠久の歴史や英知の結集、文化の多様性等を、
私たち人類の貴重な遺産として、認識・理解し、記憶に刻むことが大切なのです。


富士山は、長い時を超えて、多くの日本人の心象風景の大きな拠り所となっています。

かつて北斎や広重の浮世絵に描かれた、富士山の不動の存在感、神々しいまでの美しさを
一緒に守り、慈しみながら、楽しみことができれば、とても素晴らしいことだと思います。


祝・富士山 世界遺産登録!


(外部リンク)
UNESCO世界遺産富士山サイト: http://whc.unesco.org/en/list/1418/


祝・富士山 世界遺産登録!




Posted by 菊池建設 藤沢 at 08:55│Comments(0)
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